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月次の数字を「手入力ゼロ」で集める:KPI自動集計の作り方

太田和希
太田和希
株式会社八丁目 代表 / 現役Webエンジニア
AI業務効率化データ活用

月末の「数字まとめ」、まだ手作業でやっていませんか

月初になると、こんな作業をしていませんか。

  • 会計ソフトから売上を写す
  • 各サービスの管理画面を開いて数字をメモする
  • それをスプレッドシートに転記する
  • グラフやレポートの形に整える

弊社も小さな会社で、これを毎月やっていた時期がありました。地味に時間がかかるうえに、転記ミスもします。しかも一番もったいないのは、この作業に労力を使いすぎて、肝心の「で、どうする?」を考える時間が削られることです。

そこで弊社は、月次のKPI(売上・コストなどの重要な数字)を手入力ゼロで集める仕組みにしました。この記事では、その考え方と作り方を書きます。

大前提の思想:「人に手入力させない」

最初にお伝えしたいのは、テクニックより思想です。弊社のルールは「数字は人に手入力させない」。理由はシンプルです。

  • 手入力は必ずミスが混ざる(写し間違い、桁ズレ)
  • 「入力する人」の予定にレポートが縛られる(属人化)
  • そもそも転記は何の価値も生んでいない

だから、数字はすべて「元のシステムから直接取ってくる」と決めました。人が触るのは「集まった数字を見て考える」ところからです。

作り方:数字を「取りに行く口」を使う

最近のサービスは、たいてい「数字を外から取り出せる口」(API=エーピーアイ)を持っています。会計ソフトも、SNSも、多くの管理ツールもそうです。やっていることは、ざっくりこの流れです。

KPIを手入力ゼロで集める3ステップ:1=見る数字を絞る、2=各システムのAPIから自動で取得、3=レポートの形に自動で整形。人は"見て考える"に集中

ステップ1:どの数字を追うか決める

まず、本当に見るべき数字だけに絞ります。弊社は欲張らず、「これだけは毎月見る」という数本のKPIに限定しました。数字は多いほど良い、ではありません。見て動ける数字だけで十分です。

ステップ2:それぞれの「口」から自動で取ってくる

決めたKPIを、会計ソフトや各サービスの「口」から自動で取得します。売上は会計ソフトから、閲覧数はSNSから、というふうに、元データのある場所から直接引っぱってきます。ここを一度作れば、あとは毎月ボタンひとつ(あるいは自動)です。

ステップ3:レポートの形に自動でまとめる

集めた数字を、決まったフォーマットのレポートに自動で整形します。毎月同じ形で並ぶので、先月との比較もひと目でできます。「作る」作業がなくなり、「見て考える」だけが残ります。

この設計の本質:「集計作業そのものをなくす」

ここが一番大事なところです。多くの人は「集計を速くする」を目指しますが、弊社が狙ったのは「集計作業をなくす」ことです。

  • 速くする=作業は残る(人が関わり続ける)
  • なくす=作業が消える(毎月勝手に出てくる)

転記や整形は、価値を生まない作業です。それ自体を消せば、ミスもゼロ、時間もゼロ。人は、出てきた数字を見て「来月どう動くか」を考えることだけに集中できます。これが「手入力ゼロ」の本当の狙いです。なお、集めた生データを自社にためてAIに渡す考え方は「数字を"見る"より"AIに渡す"」でさらに掘り下げています。

御社版

同じ考え方は、業種を問わず使えます。「どのシステムに数字が眠っているか」を洗い出すのが第一歩です。

  • ECショップ:売上・注文数・広告費・在庫回転を、ネットショップと会計ソフトから自動集計
  • 飲食・店舗:日次売上・客数・原価率を、POSレジと会計ソフトから自動でレポート化
  • サブスク・SaaS:会員数・解約率・月次売上を、決済サービスから自動集計

どの場合も、「人が転記している数字」こそ自動化のねらい目です。まず、いま毎月手で写している数字をリストアップしてみてください。そのほとんどは、元のシステムから直接取れます。

注意点

  • 最初に「見るべき数字」を絞る(全部を追おうとしない)
  • 会計や決済の情報は扱いに注意(アクセス権限・認証情報は厳重に管理する)
  • 完璧な自動化を一度で目指さず、まず1〜2個の数字から始める

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