
イベント出展やスポンサーの効果を、5つの段階に分けて測る方法

イベントやスポンサーの効果を、数字で説明できていますか
展示会への出展や、スポーツチーム・イベントへの協賛は、費用も準備の手間もかかる施策です。一方で、終わったあとに「会場は盛り上がった」「反応は良かった」という感想しか残らず、次回も続けるかを数字で判断できないことがよくあります。
効果が分からない理由の多くは、測る仕組みをイベントの前に用意していないことにあります。SNSのフォロワー数のように、後から過去の数字をさかのぼれないものもあります。
この記事では、イベントやスポンサーの効果を5つの段階に分けて、それぞれの測り方と、イベントの前に準備しておくことを紹介します。
効果は5つの段階に分けて測る
イベントやスポンサーの効果は、1つの数字では表せません。弊社では、お客様が商品を知ってから購入し、関係が続くまでを、次の5つの段階に分けて考えています。

| 段階 | 見る数字 | 測り方 |
|---|---|---|
| ① 見られた | 投稿の表示回数、記事の閲覧数、来場者数 | 主催者や掲載先から数字を共有してもらう |
| ② 気になった | 社名・商品名での検索数、SNSのフォロワー数 | Search Console、SNSの管理画面 |
| ③ サイトに来た | リンク・QRコードからの訪問数 | UTMパラメータを付けたリンク |
| ④ 買った | 購入数、問い合わせ数 | クーポンコード、問い合わせフォームの項目 |
| ⑤ つながった | フォロー数、来場者の属性 | 特典と引き換えのフォロー、会場アンケート |
QRコードで測れるのは③と④の一部です。前後の段階も合わせて見ることで、「露出は多かったが検索は増えなかった」「訪問は少なかったが、来た人の多くが購入した」のように、どこで効いてどこで止まったかが分かります。
① 見られた:露出の量は、数字で共有してもらう
露出の量は、自社では測れないことが多い段階です。協賛先のSNS投稿の表示回数、プレスリリースの閲覧数、イベントの来場者数などは、主催者や掲載先が持っています。
協賛や出展を決める段階で、「終わったあとに投稿の表示回数や来場者数を共有してほしい」と伝えておくと、後から頼むより受け取りやすくなります。
受け取った表示回数に、同じ量の広告を出した場合の単価を掛けると、露出を金額に換算できます。ただし、広告と協賛では見られ方が違うため、この金額は比較のための参考値として扱います。
② 気になった:名前での検索と、SNSの反応を前後で比べる
露出を見て関心を持った人の多くは、社名や商品名で検索します。こうした検索(指名検索)の回数を、イベントの前後で比べると、関心が増えたかどうかが分かります。
- 検索: Google の Search Console で、社名・商品名・ブランド名を含む検索の表示回数とクリック数を見ます。Search Console は過去16か月分のデータを保存しているため、イベントの前の数字も後から確認できます
- SNS: フォロワー数やプロフィールへのアクセス数を見ます。こちらは後から過去の数字を確認できないことが多いため、イベントの前の数字を記録しておく必要があります
関心は、イベントの当日だけでなく数週間かけて表れることがあります。比べる期間は、イベント後の数週間まで取ります。
③ サイトに来た:置き場所ごとに、別のリンクを用意する
会場やプレスリリースからサイトに来た人は、リンクに UTMパラメータを付けると区別できます。UTMパラメータは、リンクの末尾に付ける目印で、Google アナリティクスや Shopify などの多くのツールが自動で読み取ります。
https://shop.example.com/products/sample?utm_source=summer_event&utm_medium=qr&utm_campaign=sponsor_2026&utm_content=flyer
| パラメータ | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| utm_source | どこから来たか | summer_event、prtimes、instagram |
| utm_medium | どんな手段か | qr、pr、social |
| utm_campaign | どの施策か | sponsor_2026 |
| utm_content | 同じ施策の中の置き場所 | flyer、booth、sample |
置き場所ごとに utm_content を変えると、チラシ・ブースの掲示物・サンプルに添えるカードのうち、どこから一番サイトに来たかを比べられます。プレスリリースやSNSのリンクにも同じ施策名(utm_campaign)を付けておくと、会場とオンラインの効果を1つの表で比べられます。
QRコードを作るときは、次の点に気をつけます。
- URLをそのままQRコードに入れる: 短縮URLやQRコード作成サービスの転送機能を使うと、サービスの終了や仕様変更でリンクが使えなくなる場合があります
- リンク先は、購入や問い合わせまで記録できるページにする: 訪問だけでなく、その後の購入まで追えます。近いうちにURLが変わる予定のページは避けます
- 表記を揃える: utm_source などの値は小文字で統一します。「QR」と「qr」は別の値として集計されます
- 印刷前に読み取りを確認する: URLが長いとQRコードの模様が細かくなるため、印刷は3cm角以上を目安にし、実際にスマートフォンで読み取ってページが開くかを確認します
また、QRコードを使わずに、後から検索して来る人もいます。サイト全体の訪問数を、イベントの前後や地域別に比べると、リンクを通らなかった訪問の変化も分かります。
④ 買った:クーポンコードで、後から購入した人も数える
会場で商品に興味を持っても、その場ではなく、帰宅後に別の端末で購入する人がいます。この場合、QRコードからの訪問としては記録されません。
そこで、イベント専用のクーポンコードを用意します。クーポンコードは注文ごとに記録されるため、いつ・どの端末で購入しても、イベントがきっかけの購入として数えられます。QRコードの読み取り数とクーポンの使用数を並べると、関心を持った人のうち、どれだけが購入まで進んだかが分かります。
法人の取引や卸の問い合わせにつながることもあります。問い合わせフォームに「弊社を何で知りましたか」という項目を用意しておくと、イベントがきっかけの問い合わせを数えられます。
⑤ つながった:フォローとアンケートで、来場者を知る
一度購入して終わりではなく、関係が続くかどうかも効果の一部です。会場で「SNSをフォローすると試飲ができる」のような特典を用意すると、その場で関係を作れて、フォロー数として数えられます。
また、会場で1分ほどで答えられるアンケートを用意すると、来場者が自社のお客様として想定している層に合っているかを確認できます。
- 聞くこと: 年代、住んでいる地域、商品やサービスを使う頻度など、判断に使う項目だけに絞る
- 聞き方: QRコードからフォームを開いてもらい、特典と引き換えに回答してもらう
- 氏名や連絡先: 判断に使わないのであれば聞かない。個人情報を持つと、管理の手間と責任が増えます
配布したチラシやサンプルの数も数えておきます。「配った数のうち、何人がサイトに来て、何人が購入したか」が分かると、イベントの規模が違っても比べられます。
イベントの前・当日・後にやること
測る仕組みは、イベントの前に用意しておく必要があります。当日や後からでは用意できないものがあるためです。

イベントの前
- SNSのフォロワー数など、後からさかのぼれない数字を記録する
- 置き場所ごとのリンクとQRコードを作り、読み取りを確認する
- クーポンコードとアンケートのフォームを用意する
- 主催者や掲載先に、終わったあとの数字の共有を頼む
当日
- チラシやサンプルの配布数を数える
- アンケートの回答が集まっているかを確認する
イベントの後
- 5つの段階ごとに数字をまとめる
- 名前での検索とSNSの数字は、数週間後まで追う
- 費用と並べて、次回も続けるかを判断する
最後は費用と並べて、続けるかを判断する
段階ごとの数字がそろったら、費用と並べます。たとえば、協賛や出展にかかった費用を、新しく購入したお客様の数で割ると、新規のお客様1人を得るのにかかった費用が分かります。
同じ計算を、過去に出展したイベントや広告にも当てはめると、施策同士を同じ基準で比べられます。期間を区切った協賛であれば、延長するかどうかを判断する材料にもなります。
この方法の前提
- 数字の変化には、同じ時期のほかの施策や季節の影響も含まれます。イベントだけの効果として断定はできません
- 1回のイベントの数字は、偶然の影響を受けやすくなります。できれば複数回の結果で判断します
- UTMパラメータやクーポンで記録できるのは、リンクを通った訪問や、コードを入力した購入だけです。すべての効果を数字にできるわけではありません
- アンケートで集めた情報は、判断に使う項目だけに絞り、目的を伝えたうえで回答してもらいます
関連記事
自社にデータ基盤をつくる:BigQueryへ生データを貯めてAIに渡す計測設計計測の価値はAI時代に変わりました。生データを自社のデータ基盤(BigQuery)に丸ごと貯めてAIに渡す——設立数ヶ月の会社が実際に組む計測構成と、GTM/コード直書き(gtag)の選び方を紹介します。記事を読む →
月次の数字を「手入力ゼロ」で集める:KPI自動集計の作り方月初の売上・コスト集計を手作業でやっていませんか。弊社が実践する「数字は人に手入力させない」という思想と、各システムのAPIから自動で集めてレポート化するまでの作り方を、業種別の当てはめ方つきで紹介します。記事を読む →
イベントやスポンサーの効果測定の設計について、お気軽にお問い合わせフォームからどうぞ。